多角的視点で

セキュリティの神とも称される高木浩光さんの高木浩光@自宅の日記。その内容は自分にとっては難しいことが多くとても消化しきれていない感が否めないものの、いつも欠かさず読んでいます。歯に衣着せぬ高木さんの文章はただ読むだけでも爽快なのですが、セキュリティも然り、それ以外の面でも勉強になることが多いなあといつも思います。
今回は次のエントリーでとある記事にバスッ!と炸裂高木アックス。

http://takagi-hiromitsu.jp/diary/20051122.html#p01

今回は新卒ペーペー社会人の自分でもさすがにおかしいだろう、という内容を含むものでしたが、果たして。高木さんがこのような記事を書かなかったらおかしな所に自分なりの明確な理由をもって気づけていたかどうか。これこそが高木さんの日記を読むたびに思うことで、いつもいつも考えさせられるのです。
世の中のあらゆるメディアの情報に誤りが含まれているのは避けられない事実で、これはネット上の記事でも、本屋に並ぶ書籍でも同じこと。そんな中で誤りが極力少ない(ゼロとは言わない)ことは、そのメディアの1つの評価基準になるになると思うのですが、それを適切に評価する力がない(本質を見抜く力がない)自分のような人間は得てして流れに乗ってしまいがち。
今回の話はその好例で、注目すべきは今回槍玉に挙げられていた記事にはてなブックマークで注目のエントリと言っていいぐらいの数のブックマークがついていたことです*1。直近のものでは高木さんの所から来たと思われるものもいくつかあったのですが、これらのブックマークとそれ以前の(高木さんの所からではない)ブックマークではその意味が大きく違う気がします。つまり後者のブックマークは先に述べたように、記事の内容を見抜けていたのがどうかと言うと、怪しい気がするということです。もちろん、おかしい所に気づいていた人もいるかとは思いますが、内容がおかしいからってブックマークする人はあまりいないだろうし*2。今回は高木さんの記事を通して該当記事の存在を知ったわけですが、はてブを大いに活用している人間としては、これは大きな懸念材料であると考えた次第です。
整理して考えるとあくまではてブはひとつの例であって、問題は如何に情報を得るメディアの質を見極めるか。少し言い換えれば情報の取捨選択を如何にしていくか、ということになるわけですが、これには様々な知識を身に付けそれらを元に多角的に物事を捉え、常に疑いの目を絶やさず、常に自分の頭で考えること。なんかどっかで聞いたような話ですが、やはりこれが一番の方法なのではないかと思います。
本音を言えば、記事を書いた人にはもう少しプライドを持ってやって欲しいし、@ITの中の人だってそう。でも書く側も読む側も常に注意を払う姿勢でいることが本来あるべき姿なのかな、と。そりゃそうだと言われるかも知れませんが、案外それが出来てる人って少ないのかも知れないなあと思いつつ、自分への戒めを込めて。

*1:2005/11/23 12:30 の時点で91user

*2:そもそもはてブをメモ程度に使っていてまだ目を通していないという話もあるのですが(実際自分もそういう場合が多い)、これはこれで一部では1つの議題になっているぐらいですし、今回は考慮しません。